吉田:
なるほど。確かに同じ情報を得ても行動できる人、そうでない人は分かれますよね。言い換えれば「得た情報をどのように受け取るか」は、その人の考え方、つまりは「人間力」と言えそうです。
ただ、人間力といった感覚的なものを教えていくのはとても難しそうですね。
何よりまず相手の人間力がどのような状態にあるのかを見抜かなければなりませんので。。。
このあたりに何かコツはあるのでしょうか。
磯さん:
コツというわけではないのですが、私が「人を見抜く」ということに学びになった出来事があります。。
実は私は学生の頃からの趣味で「手相占い」をしているのですが、社会人になってから間もなく会社で自己紹介の際に「手相占いができる」と言ったことがありました。
このことが広まって多くの同僚や先輩、さらには役員の方たちからも「手相を見てほしい」という話を持ちかけられるようになりました。
私の手相占いは良くあたると好評になり、とても多くの人たちの手相を見ていくうちに、自然とその人の性格や人柄までも瞬間的に分かるようになってきたのです。
おそらくプロの占い師も単純に占いのテクニックだけに頼っているのではなく、多くの人たちに接するうちに「ああ、この人はこういうタイプなんだ・・・」、「こういうことを言ってほしいんだろうな・・・」ということが分かっているのではないかと思います。
吉田:
面白い話ですね!
礒さんが「人を見抜くのが得意」ということについては、とても納得できました。
人間力を重視するビジネススタンスにとても親和性がありますね。
では、次の質問です。
礒さんにとってのマーケティングとはどのようなものでしょうか。
磯さん:
マーケティングの教科書などでも語られていることですが、やはり「ターゲットを徹底的に絞り込むこと」だと思います。
的外れなターゲットに商品・サービスを訴求しても、購入・売上には結びつきませんので、この点をしっかりと行っていかなければなりません。
また、マーケティングという考え方については、米国と日本でまだまだ差があるように思います。私が一番差を感じるのは、日本では「マーケティング」と「セールス」という概念がごちゃごちゃに扱われているという点です。
米国では「マーケティング」と「セールス」は明確に分けられていて、それぞれの部署の目的や活動内容も全く違っています。
そもそも「マーケティング」の目的は、中長期的な視点で見込み客を集める仕組みを作ることであるのに対して、「セールス」の目的は、短期的な視点で売上目標を達成することにあります。ですから、場合によっては米国企業におけるマーケティグ部門とセールス部門というものは“犬猿の仲”になることもあるほどなんですよ。(笑)
吉田:
なるほど。確かに日本のマーケティング関連書籍を見ていっても、このあたりの概念がごちゃごちゃに語られていることが多いように感じます。
例えば保険のトップセールスパーソンが書いた書籍の内容を見ていくと、それはセールスというよりもマーケティング的な視点が多かったり、逆にカリスママーケターと呼ばれている人の書籍を見ていくと、売れるトークスクリプトなどかなりセースルに寄った内容まで語られていますね。
磯さん:
そうですね。同じ人がマーケティングとセールスの概念を語り、使っていくこと自体に問題ありません。大切なのは、2つの概念の目的と位置づけを良く知った上で使っていくということです。